夢を税にする司祭は愛した人を裁く
夢を綴れば、記憶が一枚ずつ剥がれる──それでも裁くのか、守るのか。
あらすじ
夢を貨幣として徴収し、証言として編み上げる術式「結帯」を行う司祭たちの物語。地下室や礼拝堂、夢納庫、塔や広場など都市の様々な場面で、司祭たちは夢を巡る秩序と個人の記憶の狭間に立たされる。結帯は真実を可視化するが、そのたびに術者の記憶が削がれるという代償を伴う。徴税制度の暴走、公開審理、密かな反抗――選ぶべきは制度の維持か、被徴収者の救済か。愛する者の声を守るために裁かなければならない者たちが、記憶と良心を天秤にかける姿が描かれる。読みどころは、夢をめぐる儀式描写と、代償が個人の関係や都市の運命を蝕む倫理的葛藤と緊張感である。