パン屋の二階で演技が苦手な役者は卒業までに仲直りする
手で作った痕跡が、言葉にできない本音を映す。
あらすじ
古いパン屋の二階を拠点にする演劇科の学生たちが、共同で作った物にだけ残る“痕跡”を手がかりに関係を確かめ合う群像劇。主人公の高瀬悠里をはじめ、多くの仲間が外部審査や学内の噂に追い立てられる中で、共同制作をするか、直接話し合うか――能力を使う倫理と互いの意志を巡る選択を迫られる。触覚や素材に刻まれる断片的な記憶、制作現場の細やかな手仕事、仲違いの理由と和解の過程が丁寧に描かれる。卒業までの時間が刻々と迫る中で、彼らがどうやって“仲直り”の一歩を選ぶのかが最大の焦点となる。