花火師
火と色が示す、帰る空の道
あらすじ
ユウは硝煙に染まった小さな花火工房で、火薬に残る「色の熱」を編む力を持つ青年だ。赤は熱、青は方向、金は守り──だが金を使うたびに彼の痛覚は遠ざかっていく。避難民区画の子どもたちに空を見る勇気を取り戻させるため、音で色を伝える少女や元宮廷の点火士らと共に、帰天祭の灯りを分散して再現する計画を練る。王都からの規制と監視、材料不足と技術的制約、そしてユウ自身が負う代償が重くのしかかる中で、共同での運用と信頼の形成が試される。色と音、技術と倫理が交錯する人間ドラマが読みどころだ。