花を腐らせる画家は偽りの英雄を倒す
花が黒く染まるとき、記憶は一枚ずつ落ちていく。
あらすじ
王都の祝祭の喧騒と、そこにまとう“救済”の虚像──画家ルカをはじめとする複数の画家たちは、絵に人々の証言を縫い合わせることで偽りの英雄像を暴こうとする。しかしその技は花を腐らせ、使うたびに記憶を代償として奪うという呪いを伴う。王都の広場や地下の書庫、温室といった舞台をめぐり、仲間同士の葛藤と個々の選択が重なってゆく。真実を晒すことと、失われるもの――どちらを天秤にかけるのか。記憶と倫理を巡る緊張が読みどころの群像劇。