光を偽る占い師は夜明けを疑う
偽りの朝を解くために、声を織る──記憶を代償にする占いの物語。
あらすじ
レイナは「占い師」を名乗り、藍糸で綴った証綴りに人々の声を織り込むことで、偽りの光が隠す真実を可視化する力を持つ。ただしその術は代償があり、他者の記憶を束ねるたびに彼女自身の大切な記憶が薄れていく。海辺の町を照らす“偽光塔”や、記憶を蓄えるらしい装置「夜核」、暁誓院といった制度的な仕組みが人々の選択を奪う中、レイナは補修記録や証言を集め、仲間と共に塔や施療所へ潜入して真相に迫る。物語は、救済と強制、個人の記憶と共同の選択という倫理的葛藤を軸に、証言を綴る儀礼、潜入と公開の緊迫、仲間同士の対立と連帯を描く。読者は「声を繋ぐ」という技巧と、その代償が生む緊張感、偽りの朝をめぐる選択の重さを味わえる。