異世界転生風車守の王国騎士
羽根の亀裂が問いかける、風を誰のものにするか。
あらすじ
谷間の風が止まり、風車の羽根には亀裂が走った。風車の整備を生業とするユズは、羽根を一人で回すと自身の命と機体を削る“代償”を知っている。王国の徴税隊は風を計測し管理しようと旗を掲げ、村人たちの暮らしと選択を脅かす。ユズは壊れた羽根を抱えつつ、井戸に下げた風笛や共同の合意を軸に、風を分かち合う仕組みを作ろうと奔走する。逆風の旗の由来を追う探索、村々をつなぐ共同送風網づくり、そして徴税を巡る緊張――技術と共同性の狭間で村を守る人々の葛藤と連帯が描かれる物語。