異世界転生楽器職人の魔導師
音なき街で、楽器に預けられた言葉を守る職人の静かな抵抗。
あらすじ
フィオは王都の小さな楽器工房を営む修理師。王宮が敷いた「静寂の令」によって街は音を失い、楽器は没収や検閲の対象となった。フィオには、修理した楽器の内側に預けられた――言えなかった一言を再生する力があるが、持ち主の「同意」なく鳴らすと自らの聴力を代償に失ってしまう。彼女は仲間たちと共に、無理に奪われることを拒む人々のために「同意の場」をつくり、楽器と記録を守りながら沈黙の制度の根拠を暴こうとする。市場や広場で高まる役所の圧力、代償を伴う力の制約、人々の選択が物語の焦点となる。フィオが職人として、そして共同体の守り手としてどう決断し行動するかが読みどころ。