影走糸の研究員と緋色局
一度だけ動く糸が、選択の重みを刻む。
あらすじ
災害で生じた避難キャンプと街を舞台に、黒く光る細い繊維「影走糸」をめぐる人々の選択が描かれる物語。影走糸を扱う研究員や元救急隊員、自治を担う住民たちは、緋色局と呼ばれる赤い統制組織の介入に直面する。影走糸は仲間の「合意」を媒介にして一度だけ作戦を現実化する力を持つが、単独使用や合意の欠如は強い代償と予期せぬ作用を伴う。主人公たちは生存と自治を守るために、誰を信じ、どの瞬間に糸を引くのかを問われる。倫理的な同意、代償の重さ、監視と制度による選択の奪取──緊迫した状況で交錯する個人と共同体の決断が読みどころ。