星獣牙の救助士と忘却艦隊
合意がなければ、救いは代償になる。選択を守るための最期の手段と代価。
あらすじ
リオ――救助士として現場で腕を振るう人物が主人公。彼女の手にあるのは「星獣牙」と呼ばれる小さな牙状の欠片で、仲間と“合意”を共有したときだけ一度だけ作戦を現実にする力を持つが、単独使用や合意の欠如は使用者の感覚を奪い、敵側にも作用しうるという重い代償がある。舞台は忘却艦隊の巡回が迫る避難キャンプや浜辺、港、市街地や地下道といった避難路の現場。忘却艦隊は記憶や選択をぼやかし、住民の意思決定を奪おうとする。物語は、救助と記録を守るために共同体で合意を作る試み、星獣牙をどう扱うかを巡る激しい議論と実行、技術的な改良や潜入、そして個々人が払う代償を描きながら「選択の権利」をめぐる葛藤を追う。読みどころは緊迫した避難行動の描写、合意の儀式とそのリスク、仲間同士の信頼と裏切り、そして牙に秘められた過去の痕跡が明らかになる場面だ。