学園機甲部の合唱隊
歌が機甲を動かすとき、何を守り、何を失うのか。
あらすじ
風間咲良は青鈴学園の旧校舎と格納庫に眠る旧式機甲「歌鎧」の胸部に刻まれた“欠け”──「不在」の紋様に惹かれる。触れた瞬間に響く古歌の前触れと、声が機甲と共鳴してしまう危険な仕組み。許可されないまま合唱で接近したことから学園は注目を浴び、規制局や企業、思想集団が介入してくる。 咲良を中心に、指揮を執る高橋茜、整備と解析を担う矢野透、幼馴染の藤原理央らは、和音許諾や心拍同期といった厳しい手順を守りつつ、歌と機甲をめぐる謎と対峙する。古歌譜や符号が示すのは、歌詞そのものが機構の鍵である可能性と、それに伴う代償──歌う者の記憶や声が削がれていく現実だった。 外圧と内部の葛藤が高まる中で、彼らは学園と地域を守るため、海辺や倉庫を舞台に危険な遠隔同調や証拠収集に踏み出す。読みどころは、音楽的手順と技術的解析が織りなす緊張、仲間同士の絆と選択、そして「声」を巡る倫理的ジレンマだ。結末の核心には触れず、歌と記憶が交錯する場面が物語を牽引する。