ロボット修理屋の少女
誰かの記憶を直すほど、自分の記憶が消える。選ぶのは彼女。
あらすじ
港町・風折市の古い修理工房「歯車文庫」を拠点に生きる十夜菜緒は、古い家事ロボや機械の“癖”を再生できる特殊な力を持つ。しかしその代償は厳しく、能力を使うたびに自分の短期記憶が一つ失われる。動力管理局や回収屋、ネオ・クレストといった外部の圧力と、町の人々を守りたいという責務のはざまで、菜緒は誰の記憶を救い何を差し出すかを選ばなくてはならない。赤いペンチ、青いジャケット、LPのノイズが織りなすノスタルジックな工房風景、そして“静”と呼ばれる記憶の断片をめぐる謎と共同体の葛藤が読みどころです。