火薬花の教官と擬態兵団
合意がひとつ、世界を揺らす。
あらすじ
夜の避難地区――紙と布と泥でできた街を舞台に、元教官のルカは手のひらに小さな“火薬花”を咲かせ、仲間と避難民を導こうとする。火薬花は合意を媒介にして一度だけ仲間の意思を同期させ、突破口を“現実化”する力を持つが、発動には代償が伴い、誤用すれば敵や市民にも作用する危険がある。擬態兵団は人々の姿を真似、現場には製造記録や配布機の痕跡が残されており、その背後にある制度的な管理と意図が物語を重くする。仲間同士の意見の対立、擬態の正体を探る調査、合意の可視化を巡る技術工作と現場での緊迫した行動が交錯する。ルカたちは誰の合意で火薬花を使うのか、力を制度化させないためにどう選ぶのかを問われ続ける。緊張感ある作戦描写と倫理的ジレンマ、火薬花をめぐる謎が読みどころだ。