図書館の悪役令嬢は大切な人に謝る
古い条文の間に、人の選択を取り戻すための一行を探す物語。
あらすじ
レイナは王立図書院を拠点に、古い定式(制度文書)の文言を当事者全員の合意で「読み替える」力を持つ。宮廷の儀式で〈悪役〉に仕立て上げられた友人エイダに謝り、自らが押しつけた役割を取り消すため、書庫に眠る写本と条文の矛盾を手繰り、署名と同意を集めようとする。だが制度を守ろうとする保守派や役人の妨害、署名の欠落や「無言の同意」を悪用する運用、そして読み替えの代償として失われる「選択肢」が彼女たちを苦しめる。図書館を舞台にした公開討議、写しの配布、夜討ちのような駆け引きと友情のやり取りを通して、レイナは謝罪の正しい形と誰の意思を尊重するべきかを問うことになる。読みどころは、法と慣習をめぐる緻密な文書解析と、仲間たちとの合意形成、そして代償を払いつつも選択を繋ごうとする主人公の決断だ。