鳴雷槌の操縦士と翼の税関
合意でしか鳴らない槌。選ぶのは、私たち。
あらすじ
羽停町を舞台に、移動と未来を管理する「翼の税関」と、それに抗う住民たちの闘いを描く物語。中心にあるのは鳴雷槌という道具──仲間と合意した一度きりの作戦だけを物理的に成立させる力を持つが、合意の欠如や単独使用には代償と危険が伴う。鳴雷槌を扱う若者や元整備士、住民代表(秋狩蓮、奏、真白、瑞希、羽白アカネら)が検査所や監視塔、地下通路、滑走路で避難民の選択権を守ろうとする中、誰を守り誰の意思を尊重するかという難しい判断が次々と突きつけられる。合意と倫理、監視と自治の狭間で生まれる緊張と、人々の小さな決断が連鎖する群像劇が読みどころだ。