楽器店で交換留学生は誰にも言えない失敗を分け合う
手を重ねて、言えない失敗を分け合う。
あらすじ
交換留学生のリオは、街角の古い楽器店にたどり着く。店は古い弦楽器や譜面が並び、掲示板には匿名の投票カードが貼られて町の噂を映している。ここでは二人以上で同じ物に触れて共同で作ると、その物に触れた者たちの「痕跡」が残り、言葉にできない失敗を分け合えるという不思議なやり方が行われている。リオはナツミや仲間たちと共に故障した楽器を直すことで他人の痛みを受け止めようとするが、学校や行政、評価制度といった外部の圧力がその方法と安全を脅かす。共有の条件や同意、公開と保護のどちらを選ぶか──個人の尊厳と集団の選択が揺れる中で、彼らは手を重ねて次の一手を決めようとする。