通学船で進路が違うふたりは告白しないまま守る
手で残す痕跡が、選択を守る──告げずに守る学園の物語
あらすじ
逢坂航也は、通学船の甲板で古びた日誌と共同制作の痕跡を手がかりに“人の残り方”を感じ取る能力を持つ。彩花は進路を巡る注目の的となり、彼女の選択が制度や外部の監視によって数値化・商品化されようとしている。航也は告白せずに彼女を守ることを誓い、仲間たちと共同制作や証言の収集、制度の暴露に動き出す。だが能力には制約があり、共同で作られた物に残る断片しか読めず、決めつけると痕跡が消えてしまう。監視、公開審査、契約書の発見など外圧が増す中で、個人の選択と共同の痕跡をどう守るかが問われる。人物の内面に触れる微細な描写と、共同制作を巡る倫理的な対立が読みどころだ。