罪冠の和平王
罪を被る者ではなく、声を紡ぐ者へ。
あらすじ
黒瀬真尋は三十二歳の元警察官の記憶と職能を持って、十四歳の少年マヒロの身体で目を覚ます。左腕に刻まれる薄い黒い輪は、語られた「罪」を受け取り共有する代償の印だ。辺境の関所や王都の法廷、聖堂や地下炉──赤く発光する五角形の罪札と、それをめぐる政治勢力や共同体の葛藤が彼を引き寄せる。真尋は誰かを一人の「器」に押し込むのではなく、言葉を記し合う場を作ろうとするが、宰相や軍の思惑、糸を引く見えない力が立ちはだかる。裁きの場、証言、そして代償の痛みが交錯する中で、彼と仲間たちが選ぶ判断と対話が物語の軸になる。