枯天樹の庭師は、魔王城から世界を芽吹かせる
一歩ずつ、庭を取り戻す。
あらすじ
夜間園丁だった前世の記憶を端に抱える少年リュートは、根が国を覆う魔王城――根城で目を覚ます。掌に残る黒い種と「歩いて測る」だけで働く独特の庭師の能力を頼りに、枯れた庭園や水庭を巡りながら、根と記憶が織り成す痛みを受け止めていく。城側と王国側の利害がぶつかる中で、仲間の王女ネネアや地図師カイ、苔を扱うモル、盾役グレンとともに、庭を守り芽を育てる道を探すのが中心葛藤。歩幅一枚分の魔術、根と水の描写、失う記憶と誰かの痛みを分かち合う倫理が読みどころの物語。