帳簿の悪役令嬢は王子を選ばない
帳簿が綴る運命に、彼女は「選ばない」と言った。
あらすじ
王宮に伝わる一冊の帳簿――婚姻帳が貴族の役割と人々の未来を定める世界で、マリエルは「王子を選ばない」と宣言する。彼女は古文書の矛盾を当事者全員の同意で「読み替える」能力を持つが、その行使には確かな代償が伴う。審定局や守旧派、王宮の圧力と対峙しながら、仲間たちと市井の署名や公開討論を通じて制度を問い直していく過程が描かれる。儀礼と文書の力、個人の意思と代償の重さがせめぎ合う法廷劇のような物語で、儀式の場面や地下での調査、町での連帯など細やかな人間ドラマが読みどころとなる。結末の核心には触れず、選択の連鎖とその代価が物語を動かす。