学生食堂で転校生と委員長は観客のいない舞台に立つ
誰にも見られないからこそ、生まれる痕跡がある。
あらすじ
転校生・桐谷悠斗は、窓から差す光に縁取られた学生食堂で、生徒会委員長・雪代咲良と出会う。二人は“観客のいない舞台”として、共同で作るものにだけ残るという微かな「痕跡」を頼りに、仲間たちと時間を刻んでいく。しかし校務や外部組織はその場を評価と監視の対象へと変えようとし、提出・可視化・ランキングといった制度が持ち込まれる。由来のわからない光や消えゆく記録、提出か抵抗かを迫られる選択が、ほの暗い食堂での関係と信頼を揺さぶる。静かな手仕事と会話、そして制度と個人の間で揺れる決断が描かれる群像劇。