獅子旗の人質
触れれば真実が見える、しかし触れるほど自分が溶けていく。
あらすじ
朔夜は王宮の第三子として知られぬまま、儀礼の人質として黒穂の地に差し出される。彼には旗に触れて記憶や情景を“読む”能力があるが、その代償に触れるたびに自分の記憶を失っていく。旗師の凪子や塔士、明里や百瀬らと共に、徴兵を隠蔽し恐怖を織り込む旗の改竄を暴くための証拠集めと告発に身を投じる朔夜は、真実を示すほどに失うものを増やしていく。仲間と保護村、露わにされた裂け目――旗が語る「傷」と記憶の代償をめぐる対立と選択が物語の軸となる。