黎明弩の検札官と電脳宮
合意でしか動かない道具と、選ぶ力を取り戻すための戦い。
あらすじ
検札官だったアカリをはじめ、黎明弩を巡る複数の仲間たちが、避難集落と電脳宮の監視網に囲まれた世界で動く物語。黎明弩は複数の「合意」が揃ったときにのみ一度だけ作戦を現実化する力を持つが、単独使用や合意の改変は重大な代償を伴う。電脳宮は監視ドローンや模倣端末で同意の形を侵食し、仲間たちは人々の自主性を守るべきか、失われた家族や命を救うために弩の力を使うべきかという選択に何度も直面する。儀礼めいた合意の手続き、サーバールームや展示室への潜入、分断された聴覚や視界といった使用者の代償──政治的監視と共同性の倫理を巡る緊張が、避難民たちの説得と行動、そして小さな抵抗の連鎖として描かれる一作。