群青鋏の格納庫長と潮汐王
一度だけ動く道具と、みんなで紡ぐ選択。
あらすじ
エトは港町の古い格納庫長として、群青に光る奇妙な鋏――群青鋏を預かる。津波や潮の制御が「潮汐王」と呼ばれる制度に管理される中、鋏は一度だけ合意された行為を現実にする力を持つが、代償と厳格な条件が伴う。避難民の命を前に、エトと仲間たちは単独での短絡的な解決と、時間をかけて合意をつくる共同の道のどちらを取るか迫られる。やがて鋏を巡る痕跡は、潮流制御の仕組みや行政の署名に繋がり、彼らは制度そのものに立ち向かう決断を迫られていく。合意・犠牲・共同性を巡る葛藤と、その先に見える選択の重さが物語の核となる。