水鏡甲の調律師と黒曜団
合意でしか動かない鏡。選ぶのは誰の手か。
あらすじ
港町で避難生活を送る律は、表面が液状に揺れる金属板・水鏡甲を扱う“調律師”だ。その器具は一度だけ、仲間全員の合意を媒介して共同作戦を現実化する力を持つが、単独使用や合意なき発動には重い代償が伴う。町を取り巻くのは徴収と管理を謳う黒曜団の圧力と、住民の自律的な選択を守ろうとする人々の葛藤。律は仲間や住民と合意の場をつくりながら、器具の秘密と黒曜団の同期技術の関係を探り、何を守るかを問われ続ける。共通の選択をめぐる緊張、代償と連帯の物語が、濡れた路地や灯りの下で静かに進行する。