潮騎馬の王朝
潮は記憶を抱く。彼らは何を返し、何を残すのか。
あらすじ
潮織王朝の沿岸。潮を「読む」力を持つ王子・潮澄は、潮導馬と触れることで干潟に現れる“潮譜”を見出す能力を抱えている。港町では境界石の摩耗や断片的な家系帳の出現が波紋を広げ、摂政や礁商連、潮祓といった勢力がその利用を狙う。朔礼という古参の隊長と、写本を手に真摯に調査を続ける学者・紗蓮、沿岸の生活を守る葉乃らとともに、潮澄は潮譜の封印と還元を巡る選択を迫られる。記憶を削る代償、共同で海を管理する試み、そして海底に眠る「核」の影──海と人々の暮らしをめぐる葛藤と、儀礼的な描写が物語の読みどころとなる。結末の核心には触れず、潮の記憶と個人の犠牲を巡る問いが静かに続いていく。