異世界転生染物師の探検家
帆に声を染める――色には代償と約束がある。
あらすじ
港の島で染物師として生まれ変わったアオは、色を奪われた人々の声を帆に刻み、沈んだ交易路を取り戻すことを志す。彼女の能力は、自分が染めた布に触れた者の隠れた感情を「潮の色」として読むことができる一方、無断で覗けば海を濁し、深く暴くほど自身の色覚が失われるという代償を伴う。提督による検問や「色のない旗」、そして工場で作られるらしい“青く染まる涙”の噂――外的な圧力と能力の制約の間で、アオは合意を重んじる共同作業として祭や帆図を編み上げていく。誰の色を、どのように帆にするかをめぐる選択と儀式、仲間たちとの連携が物語の読みどころだ。