月蝕語りの竜騎士弟子
満月に奪われた声を、光の線で繋ぎ直す。
あらすじ
満月の夜、言葉を記録して“渡す”ことを使命にしてきた篠宮透は、自らをリュートと名乗る青年として、王都の混乱に巻き込まれる。満月に声を奪われた彼は、音の代わりに視線と掌から伸びる三本の光線で証拠と記憶を分配し、幼竜ガンツや仲間たちとともに、王子の胸に埋まった“月鉱”を巡る偽装と真実を暴こうとする。月光が作る影の“文法”、竜の喉鳴りのリズム、写しや鱗片が繋ぐ手がかりを読み解くうち、彼らは地下の扉へと導かれていく。声なき者が行為で語ること、失う記憶と交換に得る他者の声――静かな観察と仲間との受け渡しが、物語の読みどころとなる。