山間の美術室で交換日記の相手は秘密の料理を完成させる
手の痕跡が語る、山の美術室の選択劇
あらすじ
山あいの古い美術室を拠点に、交換日記を通してつながる高校生たちが物語の中心だ。彼らには、二人で共同制作した物にだけ残る「痕跡」を感知する力があり、その手触りや匂いから相手の痕跡を読み取る。だが学校側の「関係点評制度」と公的な監視が迫り、文化祭や公開制作を巡る選択が美術室の存続と仲間の主体性を揺さぶる。交換日記に残された示唆、共同で作る料理や器の儀式的な工程、そして「急ぐと壊れる」というルールと代償。彼らは守るべきものと公開するリスクのはざまで、誰が何を差し出すかを決めなければならない。感覚的な描写と選択の緊張が読みどころ。