時空特急の車掌
刻むのは時間か、記憶か。
あらすじ
葦原透は蒼辰号の若き車掌。胸にしまった銀縁の懐中時計と“刻印視”という能力を頼りに、車内に広がる“青い煤”と改刻の痕跡を追う。機関士の三谷時雨、記録員の野分ユリ、元規則執行官の坂東ルリ、子供のコハネらとともに、白鷺亭を起点にした改刻の流通網と時晶採取の謎を暴き、法と証拠を武器に“復票”による修復を試みる。だが刻印視や復票の代償は透自身の記憶の喪失であり、守るべき町や人々を取り戻すほどに彼は何かを失っていく。列車内外での調律、公開聴聞、現場調査といった動きが重なり合い、正義と個人的な喪失の狭間で彼らは選択を迫られる。物語は時の歪みに向き合う捜査と、その代償がもたらす人間の景色を描く。