灰路の癒やし手と終着なき魔導列車
足跡が鉄を癒やす、行き先は誰の言葉か。
あらすじ
瓦礫の旧駅で目覚めたラウルは、自らの足跡と触れた場所に青白い“回復の線”を残し、壊れた機械や線路の“あるべき姿”を呼び戻す力を持つことに気づく。半壊の魔導列車アウル号を復旧し、干ばつに苦しむ村へ水を運ぶため、仲間とともに砂塵の港や地下農園都市、崩れた橋を越えて旅を続ける。だが列車の炉は乗客の“言葉”を燃料にするという制約があり、徴税官や追跡隊、王都の干渉が彼らの前に立ちはだかる。ラウルは失われた記憶と身体に刻まれた痛みを抱えながら、誰を、どこへ運ぶのか――共同の意思と選択で炉を満たすための葛藤を重ねていく。修復と移動をめぐる仕事描写と、脈晶に絡まる古い杭や薄闇の地下で明かされる秘密が読みどころ。