城運び屋
手は忘れても、帰り道を運ぶ。
あらすじ
黒ずんだ鉄の鍵を手にする運び屋・朝倉環(カイ・トオル)は、可変する王城で暮らし人々の“居場所”を運ぶ仕事に携わる。家具に現れる半透明の「間取り線」が導く先へ荷物を運ぶうち、記憶が抜け落ちる不穏な現象と、追放者の名簿を封じようとする宰相ヴァルドの命令が重なる。仲間の修繕士ミラ、地図を携えるソウ、剣を構えるレイヴ、首輪の鍵を持つ小さな獣ハコとともに、カイは「仮住まい」と呼ばれる力の意味と、鍵が抱える由来に向き合っていく。座標核の前で突きつけられる選択と、運ぶことが抱える代償──記憶と居場所を巡る葛藤が物語の中心だ。