蒼雷冠の書記と逆風皇帝
一度だけ、皆で決める力。書記は記録と代償の狭間で歩む。
あらすじ
雫原燐は小さな帳を携え、避難民の流れを記録しながら蒼く光る冠「蒼雷冠」を巡る決断に向き合う書記だ。逆風院の塔と、その通信網が街と人々の“合意”を管理する世界で、冠は仲間と共有した作戦だけを一度だけ現実化する力を持つが、使用には代償と厳格な条件がある。避難所での配給や移送、偽装された同意の暴露、仲間と住民の意思決定──燐は記録者としての秩序と、目の前の命を守るための選択の狭間で苦悩する。監視と制度に抗いながら合意を募る群像劇と、冠が突きつける倫理的ジレンマが読みどころ。