例外修復譚
差分を見つけ、名前を守る。記すことが抵抗になる世界で。
あらすじ
リゼは前世でデバッガーをしていた記憶を抱え、八歳の少女の身体で目を覚ます。王都や沿道の町々に張り巡らされた「固定」と呼ばれる秩序、青白い針金で結ばれた鈴や三角の札、空に浮かぶ赤い括弧──世界には不具合のようなズレがあり、それを見つけては紙に記すことで“修復”を行えることに気づく。しかし修復には代償があり、何度も使えば大切な記憶や名前が失われる危険がある。仲間たち(妹を護る元騎士のユノ、火を扱うミラ、写本を守るサージュ、鈴をつけたノノら)と共に、リゼは記録網を築き、人々が自分で名を選べる「選べる余地」を取り戻そうとする。観測塔や行政の圧力、失われゆく記憶と引き換えに進める選択作り──記録と声を巡る葛藤と、小さな違和感の連鎖が物語を動かす。