泣かないロボットの遺言状 第12話「第十一章:法の外の決着と涙の記憶」
そして、あの事件から一年。 慎一郎の一周忌の日、巽家に親族が集まった。 健二は親族一同の前で、モモの記録の一部を公開した。それは、慎一郎が隠し続けた「捏造の告白」ではなく、家族を守るために彼がどれほど苦悩し、どれほど深く愛していたかという動かぬ証拠だった。 「親父は、法を犯したかもしれない。でも、家族としての正義は貫いた。俺は、そんな不器用で強い親父を誇りに思う」 健二の言葉に、反対する親族はいなかった。かつて彼を責めていた親戚たちも、慎一郎の想いに触れ、静かに頭を下げた。 法を超えた場所で、新しい家族の絆が結ばれた瞬間だった。 律はその様子を、庭の隅から静かに見守っていた。 午後二時十三分。
そして、あの事件から一年。
慎一郎の一周忌の日、巽家に親族が集まった。
健二は親族一同の前で、モモの記録の一部を公開した。それは、慎一郎が隠し続けた「捏造の告白」ではなく、家族を守るために彼がどれほど苦悩し、どれほど深く愛していたかという動かぬ証拠だった。
「親父は、法を犯したかもしれない。でも、家族としての正義は貫いた。俺は、そんな不器用で強い親父を誇りに思う」
健二の言葉に、反対する親族はいなかった。かつて彼を責めていた親戚たちも、慎一郎の想いに触れ、静かに頭を下げた。
法を超えた場所で、新しい家族の絆が結ばれた瞬間だった。
律はその様子を、庭の隅から静かに見守っていた。
午後二時十三分。
モモがふと動きを止め、空を見上げた。
そこには、澄江が愛した桜が、今年も見事な花を咲かせていた。
モモの光学センサーの端から、一滴の透明な液体がこぼれ落ちた。
それは故障ではない。
慎一郎が遺した「涙のタイマー」が、家族の和解という最後のトリガーによって作動したのだ。