泣かないロボットの遺言状

泣かないロボットの遺言状 第11話「第十章:真実の遺言と社会の変容」

律は独立し、『久遠・巽リーガル・カウンセリング事務所』を設立した。 彼の事務所には、他の大手事務所で「非合理的だ」として断られたような、複雑な感情やロボットが絡み合う案件が次々と持ち込まれるようになった。 ある日は、亡き父のAIアバターとの対話を求める息子。またある日は、自律型ロボットの「意思」を尊重した相続を望む老婦人。 律は常に、モモから学んだ「法の精神」を胸に、依頼人と向き合った。彼は条文を読み上げるだけでなく、依頼人の沈黙に耳を傾けた。 一方、巽邸では、健二が実業家として見事な再起を果たしていた。彼は慎一郎の特許を基盤とした新しいAI倫理コンサルティング会社を立ち上げ、ロボットと人間の

律は独立し、『久遠・巽リーガル・カウンセリング事務所』を設立した。
 彼の事務所には、他の大手事務所で「非合理的だ」として断られたような、複雑な感情やロボットが絡み合う案件が次々と持ち込まれるようになった。
 ある日は、亡き父のAIアバターとの対話を求める息子。またある日は、自律型ロボットの「意思」を尊重した相続を望む老婦人。
 律は常に、モモから学んだ「法の精神」を胸に、依頼人と向き合った。彼は条文を読み上げるだけでなく、依頼人の沈黙に耳を傾けた。
 一方、巽邸では、健二が実業家として見事な再起を果たしていた。彼は慎一郎の特許を基盤とした新しいAI倫理コンサルティング会社を立ち上げ、ロボットと人間の共生を支える新しい法整備の提言を行っていた。
 花は高校生になり、法学を志すようになった。
「私、おじいちゃんみたいな弁護士になりたい。でも、おじいちゃんが隠さなきゃいけなかったことを、最初からオープンに話し合える世界を作りたいの。ロボットも、家族の一員として認められるようなね」
 そんな彼女の傍らには、いつもモモがいた。モモは彼女の勉強を助け、時には澄江と同じような口調で励ました。