舞台義肢の造形士
欠けた石が、身体の余白を守る。
あらすじ
白羽結は舞形石という特別な石を媒介に、人の運動パターンを写し取る造形士。小さな工房と劇場を拠点に、身体表現を義肢へと翻訳する仕事を続ける中で、写取り技術の商業化を狙う大手企業や連盟の監査、そして装着者の健康と主体性を巡る倫理的対立に直面する。結と仲間たちは、石の「亀裂」を意図的な余白として設計し、装着者が主体を取り戻せる仕組みを守ろうとするが、公の舞台での実証、公的審査、秘密の潜入といった選択を迫られる。職人の慎重さと劇場の喧騒が絡み合う物語は、技術と身体、記憶の扱いをめぐる緊張と、次世代へ技術を継ぐための試行を描く。