石工
石に刻む約束が、崖町の運命を問う
あらすじ
崖の縁に立つ小さな町を舞台に、石工のソウが主人公の物語。王宮が『空石』を掘り出すことで町の土台が削られ、浮遊宮のために若者が徴用されるなど圧力が強まる中、ソウは石に二人分の名と約束を刻む技術で家屋の重さを分け合う方法を広めようとする。だが約束を破れば石は倍の重さになるという代償があり、裏切りや役人の介入、逆さに落ちる砂といった不可解な現象が町の不安を深める。刻む儀式と共同の選択を巡る葛藤、記憶や記録をめぐる圧力と抵抗が物語の中心で、人々の暮らしと共同体のあり方が問われていく。