映画研究会で親友を好きになったふたりは過去の誤解を解く
フィルムの粒子が、誰かの選択を照らす。
あらすじ
高校の映画研究会を舞台に、映像の中に「共同で作ったときだけ残る痕跡」を読み取る能力を持つ華と、彼女とともに真実を紡ごうとする航、そして過去の誤解にある凪の三人が中心になる物語。三人で撮った短編や編集の痕跡を手掛かりに、凪の心情や学内に広がる噂・制度的圧力と向き合いながら、誰の選択を守るかを巡る葛藤が描かれる。映写室や編集室の手触り、フィルムの匂いといった感覚描写と、共同制作のルール(決めつければ痕跡は消える/急ぐと壊れる)によって、友情と責任、表現と保護の狭間で揺れる若者たちの決断が丁寧に紡がれていく。読みどころは、映像をめぐる細部の観察と、それがもたらす倫理的な問い、そして共同作業によって生まれる微かな“痕跡”が人間関係を変えていく過程だ。