古書市で舞台裏のふたりは小さな店を救う
紙の匂いと、人の残滓。小さな店が選ぶ、手作りの抵抗。
あらすじ
梓と蓮は古書市の裏手で小さな出店「舞台裏」を営む二人組。梓は二人で共同して作った品物にだけ人の気配を残す不思議な感覚――“共痕”を頼りに、本の修復や手製の栞を通じて来場者とつながってきた。だが会場には評点やデジタル端末が導入され、運営側の評価基準や排除の動きが小さな店とコミュニティを脅かす。二人は仲間と協力してワークショップや展示、即席市を開き、証拠の文書を掴みながら、共同制作の価値と店を守るための選択を迫られていく。紙の手触りや修復の手仕事、街と制度の力学が交差する過程が読みどころ。結末そのものには触れず、二人が下す決断とその代償が物語の核となる。