終端剣の時計工と空白王
歯車が刻む、選択と代償。
あらすじ
時計職人カナメは町はずれの小さな工房で、人々の時間を預かりながら異形の武具〈終端剣〉と向き合う。刃身が薄い歯車で成るその剣は、複数の意思を“共有”すれば一度だけ現実を変えて避難や作戦を達成できるが、単独使用や合意なき行使には確かな代償が伴う。対峙するのは、選択を制度的に削ぎ取る「空白王」の監視網と白い塔や柱を据えた管理体制だ。カナメと仲間たちは、誰の意思を優先して守るのか、共同で決めるべきか──という重い選択を巡り、犠牲と連帯の狭間で行動を迫られる。時計や歯車の細密描写と、合意形成の緊張が読みどころの物語。