重力旗の監視員と白紙教団
選ぶことには、代償がある。
あらすじ
結芽は仮設テント村で監視員を務める若い女性。彼女の仕事道具であり異質な力を持つ「重力旗」は、仲間との合意を媒介にして一度だけ物理を変えることができるが、単独使用には深い代償がある。集落の入り口に現れる白布──白紙教団は、人々の選択を塗りつぶすように支配を広げ、町には監視ノードが張り巡らされている。物資の配給や避難路の確保、子どもや病人の救助といった切迫した現場で、結芽と仲間たちは「旗」をどう使うべきか、誰の合意をどう集めるべきかを巡って対立と協働を繰り返す。選択の可視化と強制の仕組み、旗が生む代償と共同体の意思――戦術的な駆け引きと倫理的な問いが交錯する群像劇。結芽の決断が人々の未来を左右する緊迫の展開と、旗をめぐる秘密の発見が読みどころ。