泣かないロボットの遺言状

泣かないロボットの遺言状 第14話「エピローグ:対話の続く家」

さらに数年後。 律の事務所には、新しいスタッフが加わっていた。 それは、法科大学院を優秀な成績で卒業したばかりの花だった。 「律先生、今日の依頼人は……少し難しいですよ」 花の後ろから、一台のロボットが顔を出した。それはモモの基本OSと記憶を引き継いだ、新しい世代の家政ロボットだった。 「こんにちは、律様。新しい謎を持ってきました。今回は、法とAIの『感情』に関する訴訟です」 律は苦笑しながら、ペンを取った。 泣かないロボットたちの物語は、これからも続いていく。 法が届かない場所で、誰かが涙を流す限り。 そして、その涙を拾い上げる者がいる限り。 巽邸の書斎には、今も静かな駆動音が響いている。

さらに数年後。
 律の事務所には、新しいスタッフが加わっていた。
 それは、法科大学院を優秀な成績で卒業したばかりの花だった。
「律先生、今日の依頼人は……少し難しいですよ」
 花の後ろから、一台のロボットが顔を出した。それはモモの基本OSと記憶を引き継いだ、新しい世代の家政ロボットだった。
「こんにちは、律様。新しい謎を持ってきました。今回は、法とAIの『感情』に関する訴訟です」
 律は苦笑しながら、ペンを取った。
 泣かないロボットたちの物語は、これからも続いていく。
 法が届かない場所で、誰かが涙を流す限り。
 そして、その涙を拾い上げる者がいる限り。
 巽邸の書斎には、今も静かな駆動音が響いている。
 それは、家族の歴史を刻み続ける、永遠の対話の音だった。

(完)