空脈を穿つ鉱夫の子
風を読む者は、誰が危険を背負うかを決める。
あらすじ
レオルは鉱都ラグ=ベルに生まれた観測者。生まれた瞬間に感じた“青い線(空脈)”と、前世で鍛えた風を読む技術を頼りに、鉱夫たちの生活と坑道の気配を音や水面、打音で記録していく。領主代行ヴァルグや王都の役人による封鎖や討伐案、竜の出現が町を揺らす中、レオルはミナやユード、測量官セファらとともに、観測を共有して危険と責任をどう分かち合うかを問い続ける。数値ではなく身体と声音で風景を読む描写、祭りや吊り橋の場面、竜と空脈が絡む緊迫した坑内の場面が読みどころ。観測と合意によって町の未来を織り直そうとする人々の葛藤と連帯が軸になる物語。