月蝕厨房の栄養譜

一匙は、誰かの選ぶ権利を守る。

あらすじ

八歳の少女リネアは、厨房での細やかな仕事に長けた記録者と料理人の協力を得て、父の無実を証明するために動き出す。城の厨房から国境の村、夜市や広場へと歩を進める中で、彼女は「食べること」をただの栄養摂取ではなく、記憶や選択が絡む行為として扱う。前世の夜勤で培った観察眼と配膳の習慣を頼りに、月光茸や黒い粒の痕跡、臨時配給に絡む不穏な痕跡をたどりながら、誰もが「自分で匙を取れる場」を作ろうと奮闘する。城側の権力や穀倉院の疑念、地下から伝わる不吉な唸りといった重圧の中、リネアが守ろうとするのは、人々の選択と食卓をめぐる小さな礼儀である。本作は厨房の匂いと火の光に満ちた描写、料理を介した倫理と政治の交錯、記録の重要性が読みどころだ。

エピソード

  1. 第1話 序章
  2. 第2話 第一章
  3. 第3話 第二章
  4. 第4話 第三章
  5. 第5話 第四章
  6. 第6話 第五章
  7. 第7話 第六章
  8. 第8話 第七章
  9. 第9話 第八章
  10. 第10話 第九章
  11. 第11話 第十章
  12. 第12話 第十一章
  13. 第13話 第十二章
  14. 第14話 終章