灰翼厩務員と王都の空火事
見えない熱脈を手で読み、記録で守る。
あらすじ
真壁燈真(トウマ)は、前世で鍛えた「手で熱の流れを読む」感覚を頼りに、王都の第三厩で灰色の翼を持つ灰翼獣たちを世話する厩務員だ。倉庫の火災で見つけた青白い“熱の脈”は、やがて王都の上空に垂れ下がる異形の炎と地下で繋がることが分かってくる。燈真は蹄環や図面、古い火道の痕跡を記録し、獣と街を守る手順を整えていく。一方で軍側の急進的な対策や資源運用と衝突し、技術的・倫理的な判断を迫られる。焼け跡の匂い、濡れた木、薄暗い塔内部、蹄環の細かな摩耗――現場の手触りを通して真実を読み解く過程が読みどころの物語。