根都線の忘れ駅員
忘れ駅が、誰かの帰り道を紡ぐ。
あらすじ
降り続く雨と根に覆われた地下の線路。元駅務員・水城綴は、今は「ツヅリ」として小さな忘れ駅で列車の時刻を守り続ける。人々の帰路を左右する切符と、記憶を喰らう根──水鏡・灰灯・鐘喰の三つの封鎖駅にまつわる真実を前に、ツヅリは針を操るハルカ、嘘の音を聞き分けるミナト、線路を叩くガンガら仲間とともに、失われた名前と帰路を取り戻す道を探す。権力を握る白札局と秩序の象徴である定刻印、そして列車を呼ぶ代償という倫理的ジレンマが物語の軸となる。記憶と犠牲、駅が抱える過去をめぐる群像劇。