異世界転生鏡磨師の聖女
鏡は真実を映すのではなく、共に見る場を作る。
あらすじ
エナは鏡を研ぐ職人──自分で磨いた鏡だけが「向かい合った二人の共有できる事実」だけを映すという厳格な掟を抱えている。神殿は告発を商品化する大きな鏡を用い、人々の恐れから寄進を集めて共同体を分断してきた。ユイやリラ、ミアら頼る者たちを守るため、エナは自身の技術と手順で公共の「見る場」を整備し、裁きではなく合意を生む装置として鏡室を広めようとする。だが鏡が強制されれば道具は壊れ、代償としてエナの瞳は曇る──職人の細やかな作業描写と、信仰や権威と向き合う手続きの葛藤が物語の読みどころだ。