道化師
笑いが税になる街で、道化師は声なき舞台を守る
あらすじ
レムは前世の俳優としての面影を残しつつ、宮廷の見習い道化として孤児たちと小さな劇団『夜明け喃語』を守る青年だ。彼の力は、誰かが自らの痛みを語った瞬間だけその痛みを“笑い”へと転じる幻を見せるというもので、かつて無理強いで笑いを引き出した代償として自身の笑い声の一部を失っている。王が「笑い」を徴税する制度と金の壺が街を覆う中、レムと仲間たちは仮設舞台や市中を巡る移動劇で、人々が自発的に語り合える場をつくろうとする。強制と代償の倫理、共同体としての絆、舞台技術を用いた非暴力の抵抗──仮面と壺を巡る緊張が、個々の告白と選択を問い直す物語の読みどころだ。