鍵師
名前を一文字ずつ失いながら、扉を繋ぐ。
あらすじ
ユウは城門町で拾った錆びた銀の鍵を手にした若き鍵師見習い。役所の告示で「七日後、百の城門が閉ざされる」と宣告され、地下街へ押しやられた人々を地上へ戻すため、鍵に触れて扉に残る「閉じた理由」を読み取り、持ち主の同意を得て門同士を繋ごうとする。だがその力には代償があり、扉を開くたびにユウは自分の名の一文字を失っていく。門務大臣レグス側の偽造と圧力、制度に刻まれた“空白”と対峙しつつ、仲間とともに合意と記録を武器に人々の選択を取り戻そうとする姿を描く物語。記憶と名、共同体の選択をめぐる葛藤が読みどころ。