消星の塔守り
欠けた星が、記憶を削いでいく——数を読む少年はそれを追う。
あらすじ
リオ・アステルは「数字の欠け」を読む観測者だった。星座の輪郭から消えた一角は、人々の記憶や呼び名さえ奪い、港町の暮らしを曖昧にしていく。塔の上層は観測を禁じるが、リオは監査官の命令に逆らい、旅する者たち――造船師ガルド、偽名を纏うミナ、薬師見習いネネ、そして金色の光を吐く幻獣ルゥ――と共に欠けた星座の輪郭をたどる。やがて彼らは鯨骨の鍵で古い扉を開き、黒い円盤と失われた記憶に関わる地下遺構へと足を踏み入れる。塔と港を結ぶ謎、仲間との葛藤、失われた「顔」をめぐる選択が物語の中心にあり、読者は欠けを巡る探索と再生の瞬間を追うことになる。